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貴方だけに溺れたい
第5章 枷
とにかく早く終わらせて欲しい。
パジャマのボタンを外され、シルクのキャミソールの上から円を描くように胸を揉まれながらも、思う事はそれだけだった。
高揚する気配も無い。
生地の上から与えられる先端への愛撫に微かな疼きを感じながらも、葵の意識は冷静に智之の動きを追っていた。
「ンッ……あ……」
乳首に与えられる刺激に敢えて声を洩らすのは、勿論、彼の欲情を促す為。
その際に口許を押さえ、喘ぎ声を堪える仕草も演技だ。
しかし冷めた意識とはうらはらに、身体に与えられる快感には嘘は無かった。
葵は眉間を寄せ、生地の上から弄ばれるように撫でられる刺激に抗う事無く身体を弾ませていた。
キャミソールを捲り上げられ、露にされた乳首を舐められた瞬間、彼女の背中が大きく反り返った。
「ンンッ!」
ビリリと電流が走るような大きな快感。
そしてその直後には、まだ触れられていない部分が目覚めたように疼き始めた。
智之はそんな葵の反応を愉しむかのように乳房を中央によせ、並んだ乳首を交互に吸い、チュッチュッと音を立てながらしゃぶり続ける。
彼は葵の身体だけは熟知しているつもりでいるようだった。
時間を掛けて乳首を愛撫し、唾液まみれにしながら弄んでやれば、やがて彼女は自分から足を開き、固く勃起したぺニスを求めるように腰を浮かしてその部分を擦り付けてくる。
『もう我慢出来ない』『早く挿れて』
自分を見上げる葵の潤んだ瞳は、そう訴えているように思えただろう。
「もう挿れて欲しいの?」
「………」
「やっぱり葵もシたかったんじゃん。おっぱいコリコリになってるよ?」
「……うるさい……」
「本当はエッチ大好きなくせに」
「…………ばか」
安っぽいAVの煽り文句のようだ……。
しかし葵はズボンを脱がし始めた智之が喜ぶように、キャミソールと同じ素材のタップパンツから伸びた脚を擦り合わせ、自分の両腕で胸を挟みながら彼好みの女を演じた。
「早く、全部脱がして?」
「しょうがないな、葵は。エロくなると甘えん坊になるんだから」
「…………」
寒いのは、エアコンのせい、だけか……?