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Leverage Effect〔レバレッジ イフェクト〕
第2章 罠 ─仕掛ける─
したたか飲ませて強引に軆を引き裂いてやりたい衝動にも駆られるが、それじゃ強姦と同じで脳がない。
向こうから屈服してくるように差し向けるところに頭脳プレーの醍醐味が有るというもの。
その駆け引きが情事を更に燃え上がらせるのだ。
そんなネタが何処かに転がっていないかとアンテナを張り巡らしていたところ、タイミング良く秘かに奴の不正取引の事実を入手した。
それは新しく出店した証券会社にありがちな、仕手筋との関係──
未だ手垢の付いていない後発証券は、仕手筋が大口注文を入れるのにもってこいだ。
大口取引を切っ掛けに新規店舗の足掛かりを作りたい会社側と、財務局に気付かれないうちに大量の株式を売買して利益を上げたい仕手筋。
互いの思惑が合致したところで双方の取引は成立する。
だが、何時どうなるかもわからない互いの関係。決して安定的な顧客とは言い難い相手。