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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第10章 キャスティング

席を移動して、そう待たない内にどうやら待ち人が来たらしい。
窓ガラスから見える外に健兄は手を振り掛けると、その人は店に入ってきた。
「いや、待たせな」
待ち人はそう言いながらテーブル席に着いていた。あたしは水とメニューを用意する。
二人は席に着くなり顔を近付けて話をしている。
あの連れも芸能関係なんだろうか?あたしはそんな事を思いながらテーブルに向かった。
「いらっしゃいませ」
「ああ、晶。コイツにもさっき俺が食べたセットを頼むよ」
「オケ」
注文を伝票に書き込むあたしの全身を、その連れの人は堂々とガン見してくる。
あまりにも堂々とし過ぎててかえって視線が気にならない──
なんとも可笑しな話だ…
「君、手脚長いね〜…顔も小さいし、身長いくつ?」
「170です」
「なるほど、八・五とは言わず、九等身だな!」
「はは、有り難うございますっ、お礼にお冷サービス!」
なんて言って一口分水を継ぎ足したあたしに健兄が吹き出してその連れの人も笑っている。
取り合えず掴みはオッケ!…と言ったところだろうか?
あたしはカウンターに戻るとマスターに注文の品を伝えた…
「なんだかな…」
厨房に引っ込んだマスターの代わりにあたしはカウンターで洗い物をしながら呟く。
自宅マンションに戻った夏希ちゃんと入れ替わりで、喫茶・和らぎを媒介とし、遠巻きながらここでは夏希ちゃんとの繋がりができつつあった。

