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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第26章 君のために

「この間はご馳走様でした」
撮影位置に着いていたマリオにお礼と挨拶をする。
「やあ、よかったよ。君が来てくれて」
土管の上に腰掛けて火に当たるマリオは隣を指差して座るよう勧めていた。
「野宿とかキャンプをイメージしたシチュエーションらしい」
「なるほど」
目の前光景をマリオは簡単に説明してくる。
聞けば、舞花は自分の良さが出せないと、この衣装を嫌がったらしい。
冬の北海道を舞台にしたCMで薄着を希望するあたりがちょっと「?」な訳で…
楠木さんも相当慌てたみたいだった。
落陽の時間が刻々と迫る──
そのタイミングに合わせて作るカップラーメン。
お湯を注いだ瞬間に貝のダシの香りがフワッと広がる。
たかがカップラーメン。
されどカップラーメン──
高額な研究を重ねた味は確かに旨味を充分に感じさせる香りを運ぶ。
思わずあたしは思いきり匂いを嗅いでいた。
「ふ…」
お湯を注いでいたマリオの口から笑いが漏れていた。
「やっぱり似合うね」
「ラーメンが?」
「ラーメンていうか食べるの全般だけどね」
同じようにエスキモーのようなジャンパーを着たマリオが話し掛けてくる。
撮影中、普通に会話をしていてもいいようで、とにかく楽しく美味しく食べる──
それさえこなせばOKらしい。

