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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第30章 バイトの王子様
「有り難うございました!」

昼食どきを過ぎて休憩前の最後の御客を送り出す。
営業の札を裏返して店に戻るとマスターが入れてくれた珈琲であたしは一息着いた。

「中谷君、何時に来るって?」

珈琲で喉を潤してマスターに話し掛ける。

今日はほんとは休みの筈が、バイトの中谷君が急遽午後からしか出れないって泣きの電話を入れてきたらしい。

平日の喫茶店。繁盛時はもちろん昼だ──

てことで、中谷君が店に来れるまでのピンチヒッターだ。

「夕方には間に合うって…晶ももう上がっていいぞ! 助かった。ありがとな」
何もようはないからいいんだけど…

マスターに礼を言われてそう思いながら洗面所に向かうと何気に鏡を確認した。

うーん…

カワイイ。

取り合えず自分で褒める。
やっぱ腕だな。

緩いウェーブが女の子って感じがする。

これで色を明るくしたらもっと柔らかい感じになりそう…

鏡に映った自分を眺め、前髪を少し弄った。

「よしっ! たまには街を歩くかな」

家にいればスエットでただゴロゴロしてるだけだ。
せっかくの余暇だからたまには外の景色も楽しもう。

肌寒くなった日暮れどき、店を出ると、薄手のストールで肩を覆ってあたしは駅まで歩いた。

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