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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第30章 バイトの王子様


「藤沢さん、こっちヘルプ御願いします!」

「はい」

日が落ちてとっぷりと暮れた頃、新人バイトの俺は何気にコキ使われ大忙しだった…。

ヘルプと称し、ヘアケア商品のプッシュを任される。
商品のPRはCM慣れしているせいかかなり得意だ。

最初についた花田さんとは話が盛り上がったお陰で店売商品を沢山購入してもらった。

それに味をしめたのか、店長は仕上げに掛かった客の相手を俺にさせる。

「売った商品のバックマージンはちゃんと給料に上乗せするから」

そうこっそり言われたら、頑張らないわけにはいかないワケで。。。

担当の美容師が他の客を回っている間、俺は簡易で教えられたハンドマッサージを女性客に施す。

「きめ細かいですね」

「え…そうですか…」

手を握って褒める姿は飲み屋のホストと変わらない。ボーイズバーのドラマの役柄がこんなところで役に立つとは俺自身も思わなかった……。

「でも寒くなるとお湯ばかり使うから手荒れしやすくて…」

クリームをつけて、時おり顔を見ながらマッサージすると、無言の間を繋ごうとするせいか、客自らこの話を持ってくる。

そう高くはないハンドクリームなら売りやすくて買いやすい。

客も買うことを覚悟したせいか、何もアピールしなくても商品を買う方に気を向けてくれるわけで、流れさえ作れば売るのは容易い。
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