この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第33章 ラブライフ

若君にはまだ先がある──
藤壺は舞い落ちる花弁を目で追いながら視線を下に落とした。
土に落ちた桜の花びらも夜空と同じように黒い反物に柄を描く。
ただ、地に落ちた花びらは夜空を舞う花弁のように自由気儘に躍ることはない…
ただひっそりとそこに佇み…
時が来れば忘れ去られる──
目も向けて貰えず、何度も踏まれ…
やがては土に還る──
それは老いていくこの身と同じ──
美しくも若き君…
その隣に添うて歩くにはこの身はやはり……
「母上…っ…」
想いに耽る義理母の背中を見付け、光の君は後ろから切な気に抱き締めていた──
人目を忍んでの逢瀬に自由はない。
だからこそこうして逢って、手の内に抱き締めれば想いが弾ける。
「夜風が吹く中でまた待たせてしまいましたっ…」
申し訳ない気持ちで光の君は抱き締めた腕に力を込める。
藤壺はその腕をほどくようにそっと身を離し、光の君の胸を押した。

