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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第33章 ラブライフ
光の君は懐に手を入れた。そして忍ばせていた短刀を自らの喉に突き立てる。

「───っ…」

目を見開いた藤壺を、光の君は見つめる。

その濡れた双瞼を細め、悲しい笑みを浮かべてゆっくり口を開いた──

「…母上、泣かないでください……もしも月落ちの闇がそなたを覆い隠すことがあろうとも──…わたしはそなたを見つけてみせる…っ…」

「………」

「たとえ眩(まばゆ)い陽がそなたを陽炎でまやかそうと──っ…わたしはそのぬばたまの瞳の色を見逃さぬでしょう──…」


そう呟いた声が強く震え、光の君の瞳から溢れた雫が頬を伝い落ちていく。

光の君は愛しそうに言葉を紡いでは藤壺の頬に触れていた指先を、剣を握っていた自らの手に添えて微笑んだ──


「……っ…」

「…来世になろうとも…っ…わたしはそなたを離さない──…」


月の光を受けて走る銀の切っ先──

舞い落ちた桜の花弁が梅の色に塗り変わる。

目の前で美しく散る若き華──

光の君の喉元から滴る蜜は藤壺の雪のような肌を彩鮮やかに染め上げる。

乳房に散ったそれはまるで、雪に堕ちた牡丹のように真っ赤に燃え、光の君は愛した人の震えるその紅色の唇にゆっくり顔を落としていた……。







「はいっカーット!」

威勢のいい声が跳ぶ。
一先ずオーケーの声に俺は血糊だらけの顔を上げて舞花に被さる身体を起こした。

「お疲れさま」

肌けた身を直しながら舞花も起き上がる。血糊を使っての撮影はそうNGを簡単には出せない為に、一先ず俺は安堵の溜め息を漏らしていた。
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