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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第34章 きっかけ


俺は無視を決め込んで妄想に耽る。

晶さんに逢って思いきりぎゅうって抱き締めてキスしまくって……

そうやって何をいくらしてもしたりない自分を想像する。

「……長くは続かないって思ったけど意外に持ったな…」

「──……何が」

「二人の関係」

俺は目を見開いて楠木さんを振り返った。

「お前のことだから直ぐに飽きるかと思った」

「………飽きないよ。何、決め付けて言ってくれちゃうわけ?」

一体、なんの恨みだっつーのっ!

不吉なことを口にする楠木さんを睨みながら俺はまた背を向けていた。

飽き方も諦め方も俺にはわからない──

正直、まだまだ二人の関係に満足も安心も味わうことが出来ずにヒィヒィ言ってるくらいなわけで、こんな状態で飽きるなんてまず無理。

今は追い掛けるのに必死だ。

見張ってないと野生だった虎は直ぐに逃げ出すから……

俺にはまだ、檻の鍵を開け放す余裕なんて皆無に等しいわけで。

箱の中で大人しく待っててくれてることを期待して電話を入れるのが関の山。

「春になったら纏まった休み取れるかな」

「なんの為の休みだ?」

「晶さんと旅行行きたい」
前回の北海道は社長が企んだお陰で晶さんとはほとんど一緒に過すことができなかった……

今度こそは二人でノンビリと。

俺は尋ねながら楠木さんの顔色を伺う。

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