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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第36章 想い違い

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「葛西さん、仕事あるじゃないですか?」
「ああ、でも単発ばかりだからな…また次に呼ばれるって確証もない」
「………」
なるほど。最近表に出始めたのはそれが理由か……
葛西さんが全盛期の頃は映画、ドラマ、その一本の値段もすこぶる良かった。でも時代が時代だ──
役者も増えればそれだけ仕事も競争率が上がる。
今は芝居が上手い下手に限らず視聴率の為だけに配役を選ぶことが多くなった。
役が獲れなければ役者は死活問題だ──
「社長と楠木さんにお願いしてみます……葛西さんのキャラならうちのタレントと被ることもないし…」
「ああ、頼むよ。どんな役でもやるから」
「………」
安心した顔を向けて礼を言うと、葛西さんはゆっくりそこから腰を上げた。
“どんな役でもやる”
そう言った葛西さんに対して少し“しまった”と口を接ぐんだ。
長いこと同じような役ばかりだ。だからこそ仕事も決まった役しか回ってこない。
どうせ役者なら──
役者だからこそ、幅広く役を演じたい。そう思う筈だ。
葛西さんのことにしても、晶さんのことにしても俺は墓穴を掘ったかもしれない。
「……っ…はあ」
小さな苛立ちに短い溜め息を吐く俺を、撮影に戻った葛西さんは横目にちらりと見て手を振っていた……。
「葛西さん、仕事あるじゃないですか?」
「ああ、でも単発ばかりだからな…また次に呼ばれるって確証もない」
「………」
なるほど。最近表に出始めたのはそれが理由か……
葛西さんが全盛期の頃は映画、ドラマ、その一本の値段もすこぶる良かった。でも時代が時代だ──
役者も増えればそれだけ仕事も競争率が上がる。
今は芝居が上手い下手に限らず視聴率の為だけに配役を選ぶことが多くなった。
役が獲れなければ役者は死活問題だ──
「社長と楠木さんにお願いしてみます……葛西さんのキャラならうちのタレントと被ることもないし…」
「ああ、頼むよ。どんな役でもやるから」
「………」
安心した顔を向けて礼を言うと、葛西さんはゆっくりそこから腰を上げた。
“どんな役でもやる”
そう言った葛西さんに対して少し“しまった”と口を接ぐんだ。
長いこと同じような役ばかりだ。だからこそ仕事も決まった役しか回ってこない。
どうせ役者なら──
役者だからこそ、幅広く役を演じたい。そう思う筈だ。
葛西さんのことにしても、晶さんのことにしても俺は墓穴を掘ったかもしれない。
「……っ…はあ」
小さな苛立ちに短い溜め息を吐く俺を、撮影に戻った葛西さんは横目にちらりと見て手を振っていた……。

