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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第36章 想い違い

この人となら
ずっと一緒にいられる──
そんな変な自信を持ちながら迎えた高槻からの一方的な別れ。あの経験はあたしの心の結構奥深くに根付いている。
自分の想いだけを押し付けて、途端に心変わりする。
男って自分勝手な生き物だ──
高槻一人のことで、男はそんなもんなんだと否定してきたあたしがやっと……
一歩前に踏み出せるようになったのに…
どうしよう…
夏希ちゃんのことが信じられなくなってる……
「まあた、溜め息か…頼むから店に不幸をばら蒔くなよ」
「………」
息が漏れないように小さく結んだ口を尖らせるあたしを仕方無さげに笑うと、マスターは「おっ…」と急に何かを思い出した。
「締め切り近いけど受講するか確認取ってくれだと」
マスターはレジの横に挟んでいた紙を取り出した。
「これ…って…」
珈琲豆の卸業者。田渕さんが以前に持ってきてくれた受講パンフレット。それにもう一枚、マイスターコースの申込書がプラスされている。
あたしは無意識にそれを手にしていた。

