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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第36章 想い違い

マスターの視線が肩にしたバッグに突き刺さる。
それを遮るようにあたしは裏口のドアを閉めていた…。
生ゴミをダストボックスに容れて自転車に乗る。
そしてあたしは久し振りに通る道を暫く走った。
辺りはすっかりと暗くなっている。
静かな住宅街を左折すると、後ろを横切った車が不自然にバックしていた。
怪しい動きに加え明る過ぎるヘッドライトが不気味さを煽る。
自転車を止めて振り返ると車は直ぐ近くに来て停車した。
「………さっそく破局か?」
「………うるさい」
間近で運転席から顔を覗かせた高槻の視線が、自転車のカゴに向けられる。
叔父の建兄のマンションに向かうあたしの姿は、どうみても夏希ちゃんとの間に何かがあったと証明しているようなものだ。
何も否定しないあたしを運転席から見上げ、高槻は呟いた。
「図星だな……」
「なんの真似? ストーカー?」
あたしの言葉に高槻は肩を竦めた。
「小さなカゴに大きなバッグ乗せて走る家なき子を見捨てられぬ神の真似」
車から降りながら高槻は長い皮肉を坦々と口にしてトランクを開ける。
「あ、ちょっと何するの?」
自転車のカゴからバッグを取り上げると高槻はそれをトランクに放り込んでいた。
慌てて自転車から降りると今度はその自転車を軽く担ぎ上げる。

