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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第36章 想い違い

高槻は振り返った。

「ここに戻ってきたってことは何かあったんだろ?今夜はゆっくり考えたいだろから邪魔はしねえよ……」

「………」

「じゃな」

背中を向けたまま、高槻は軽く手を振った。

しつこく聞いてくれば嫌気も指すものを、こうもあっさり立ち去られたのではまさに“暖簾に腕押し”ってやつだ。

高槻の居なくなった通路を見つめ、身構えていた肩から力が抜ける。あたしはその場に少し佇んだ。

“ゆっくり考えろ”

ゆっくり……ってことはもちろん夏希ちゃんとの今後のこと──

そうだ……ゆっくり考えよう。

その為にも今は夏希ちゃんと距離を置きたい。

距離を置けば……

どうすればいいのか。

自分がどうしたいのか──。

わかるはずだから。


今はなるべく顔を逢わせたくないって思ってしまう夏希ちゃんに──…

たまらなく逢いたくなる気持ちが湧くまでは距離を置いて考えたい……。

あたしの携帯電話は相変わらずチカチカ点滅している。

開いて画面を確認すれば、沢山の受信と着信が記録されていた。

いっこうに返事を返さないあたしに夏希ちゃんは大いに焦っているかも知れない。

でもそれは単なるあたしの妄想と願望で、もしかしたら……

ほんの数日で夏希ちゃんは諦めて他に目移りしちゃうかも……

心底から夏希ちゃんを信じられなくなったお陰でどうしてもこんな想像をしてしまう。

溜め息は止めどなくあたしの口から零れ続ける。

憂鬱だ。

とても憂うつ……。

これもそれも全部夏希ちゃんが悪いんだ……。



あたしは久し振りに足を踏み入れたマンションのリビングのソファに身を投げて静かに瞳を閉じていた……。

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