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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第36章 想い違い
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「いらっしゃ……」

一番忙しいランチ時。お客が去った後のテーブルを拭きながら、入り口のドアを開けた来店客に顔を上げた。

「なんでそこで止める?最後まで言えよ……」

客を確認した途端に言葉を止める。
そんなあたしに高槻は早速、不満を口にした。

「何その如何にも社会人です。みたいな格好……」
あたしの質問に高槻は思わず鼻で笑って返す。

「如何にも社会人だろ?お前、頭可笑しいな」

まるで語尾に“(笑)”って付きそうな口振りだ。

「大学四年ていったら世間は就活!俺は有り難いことに就職先が決まってる。今日は会社の社長の所に挨拶に行った帰り」

「ああ…それでスーツなんだ……」

初めて見た。高槻のスーツ姿。。。

成人式はウケ狙いで確か袴だった筈だ。学級委員の丸山経由で手に入れた写メを多恵ちゃんに見せられた記憶がある。

大柄で黒い袴。大学の仲間と同じスタイルで揃えて真ん中を陣取る高槻はまるで新撰組。

隊長の近藤 勇 その物だ、って多恵ちゃんと大いに笑った……。

大いに笑って……
そして泣けてきたんだっけ。

悪ふざけする高槻を見て、やっぱり好きなんだって自覚して、すごく切なくなって泣けたんだ……。

「なに?……もしかして惚れ直した?」

「…っ…ぶあっかじゃない?!」

無言で見つめ過ぎたかも知れない。

自惚れた高槻の一言で、昔のセンチメンタルな記憶から一気に引き戻されたあたしは高槻に思いっきり呆れながら罵声を浴びせた。

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