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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第36章 想い違い

高槻は身を引いて驚きながらもクスッと笑う。
カウンターまで来ると昨日腰掛けた席に座ってメニューを開いた。
「なに?“いつものやつ”って頼まないの?」
おしぼりを出しながらちょっと嫌みを含んで言ってみる。
「ランチタイムなら店のセットメニュー頼んだ方が早いだろ?」
鼻唄を歌いながらメニューを眺めると
「よし決めた!Aセットのカツカレー。アイスコーヒーは先にくれ」
「はいよ。マスター、Aランチ一つお願いします!」
あたしは厨房のマスターに注文を伝えてアイスコーヒーを冷蔵庫から取り出す。
「なに?……」
氷を入れた陶器のコップにアイスコーヒーを注ぐと高槻は頬杖を付いて、見つめていた。
視線に耐え兼ねて尋ねたあたしに高槻は口を開く。
「……べつに…」
何か言いた気な雰囲気の間を置きながら、高槻は短く答えてそっぽを向いた。
「……シロップいらね。ミルクだけでいい」
無言で出したアイスコーヒーとセットのシロップを高槻は押し返す。
そしてストローを挿して一口飲んでいた。
あたしはその間カウンターとホールの行き来を繰り返す。
昼の時間なんて忙しさであっと言う間だ。
カウンターでは一仕事を終えて一服しにきたマスターと高槻が楽し気に話をしている。
いつまで居座る気で居るんだろう……。それが気になりながら、あたしはすべてのテーブルを片付けてカウンターに戻った。

