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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第36章 想い違い

マスターは仕方なく厨房にお湯を止めにいく。
戻ってきて直ぐに煙草に火を付けると大きな煙を溜め息と一緒に吐き出した。
「お前は昔と変わったな……」
「うそよ、変わったのはあなたの方よ」
呟いたマスターにママがはっきりと返した。
あれ?
やっぱり雲行きが……
オシドリ夫婦が売りの二人の空気がなんだかやばい。
高槻も何事だと目の前の二人を交互に見比べる。
「いや変わった。昔は俺が何言っても黙って“はい”って小さな声で返事してた……」
懐かしむように遠くを見てマスターは語る。
「うそよ、あたしが何を言ってもうんうん言ってたのはあなたの方よ」
ママは食べる手を止めずに喋ると隣で様子を見守るあたしを肘で小突いた。
「ちょっと晶ちゃん聞いてくれる?」
お、なんだなんだ?
そう構えたあたしに同意を求めるように、ママはマスターを前にして口火を切る。
「この人、昔はこんな上から物を言うような人じゃなかったのよ?」
ママの言い分にマスターは何やら耳が痛そうだ。
苦い表情を微かに覗かせる。
長く夫婦を努めて何やらママも鬱憤が溜まっていたらしい。
昨夜何か揉めたんだろうか?
炸裂するわけでもなく、チクリチクリと皮肉を込めて、ママは今までのマスターの行いに毒を吐きはじめていた。

