この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第37章 泣けない夜

「ちょっと…っ…どこ行くのっ!?」
「食事しに」
「だから行かないって言ってるじゃんっ!?」
「まあ、いいから少し付き合えよ」
「……っ…」
食事の誘いを断ったつもりでいたのに、急に右折した車は家路どころかまったく違う道を走り出す。
高槻のことだから定食屋にでも入るのかと思って諦めたら、車はちょっとしたレストランの駐車場に止められていた。
「“少し”じゃないじゃん!」
高そうなレストランの門構えに腰が引けた。
入ったら短時間じゃ出れない感じがありありだ。
「まあまあ」
高槻はそうなだめながらも今にも逃げ出しそうなあたしの手首をしっかり鷲掴む。
「まあまあじゃないって」
「ちょっと飲み食いするだけだから頼む」
「なんでそんなこと頼むのよ」
腕を掴む力は強い物の、言方は何気に控え目だ。
「二杯飲んだら帰っていいから……な、頼む」
「………」
白い目を向けるあたしに高槻は結構真剣にお願いしていた。
仕方なく頷いたあたしに高槻は微かにほっとした表情を覗かせる。
「二杯飲んだら帰るからね……」
店内を歩きながら呪文のように背後で繰り返す。そんなあたしに高槻は苦笑いを浮かべ、席に着いていた誰かに手を振っていた。。。

