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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第37章 泣けない夜

「えっ…うそっ!」
謀られた。
瞬時にそう悟った。
手を振る高槻に向けて、向こうもにこやかな笑みを浮かべて振り返してくる。
「世話になる就職先が親父の知り合いだったから親父もこっちに出てきてたんだよ」
「………」
高槻は簡単に説明する。
「お前に会いたがってたからさ……」
久し振りに会った高槻のお父さん。二年前に倒れたって聞いたその姿を前にして戸惑うあたしに高槻は遠慮がちに言った。
「二杯付き合ってくれれば帰っていいから」
気を使ったつもりなのかもしれないけど、二杯で帰れるわけがない。
そう思いながら小さなため息をつく。
「わかった。叔父さんに会うのも久し振りだし……」
観念して笑うあたしに高槻は少しホッとした表情を覗かせる。
席につくと叔父さんにお酒をすすめられるまま、一杯目のグラスビールを乾杯して軽く飲んだ。
倒れた後遺症なのか、少々麻痺が残った左半身。
右じゃなかったからまだ何とか仕事もできると叔父さんは笑いながら口にする。
「まあ、若い衆が頑張ってくれるから俺は指揮棒を振って机で怒鳴るだけだけどな!」
「はは、怒鳴ってばかりだと反乱が起きるよ」
「お、相変わらず言うな晶ちゃんは」
ズバッと返したあたしの言葉に気を悪くするどころか叔父さんは何だか楽し気だった。

