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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第37章 泣けない夜

夏希ちゃんは肩を内に丸めるように、はあーっと大きな溜め息を吐いた。

ゆっくりな動きを見せながら、夏希ちゃんは背を伸ばして周りに視線を向ける。
思いきりあたしを凝視した次は、まるで視線が合うことを避けるように、夏希ちゃんは横を向いた。

「けっこう急ぎで帰ってきたつもりだったんだ……」

「………」

そう、ぽつりと口にする。

「部屋に……」

「………」

「速攻で帰ったら居なかったから……」

「………」

「荷物もなかったし……」

「………」

「何となく“ああやっぱり”って……」

一言話す度に夏希ちゃんは呼吸をゆっくり繰り返す。

どうしようもない苛立ち。それを必死に抑えてるのかも知れない。

ポケットに入れたままの夏希ちゃんの手が、中でゴソゴソとしきりに動いてる。

足元に何もない地面を蹴る仕草を見せながら、言葉を止めた夏希ちゃんは急にあたしの方を向いた。

「ここに戻ってるだろうって思ってたから直ぐに向かったわけだ……出て行ったって連れて戻れば済むことだって思ってさ……」

「………」

「もし嫌がっても強引に連れて帰れば済むって……鍵開けて紐で縛ってでも連れて帰れば済む……てさ」

「………」

「………でも可笑しいよね?何が可笑しいと思う?」

夏希ちゃんは強気な表情でそう口にする。
そして、ふっと急に笑った。

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