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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第37章 泣けない夜

間違いなくその健康器具は俺の稼ぎの何割かで手に入れているはずだっ…

そう、髭の社長に言ってやりたいのを堪えていると、目を綴じたまま社長は口にする。

「帰ったら晶に慰めてもらえ」

「………」

「スタミナ付くもん作って貰えや」

「………」

「これだけ稼ぐんだから、たまには優しくしてくれるだろアイツも」

「………」

自分の姪っ子がどれだけサドなのか知ってのことなのか、社長は言いながらまたははっと笑っている。

「……帰ってゆっくり寝る…」

「寝るしか頭にないのかお前は」

止まったマッサージ機をまた操作する社長は、俺の言った寝るって意味を何か勘違いしているらしい。

「とにかくしっかり食って、しっかり休め!でまた明日しっかり働け!」

「………」

また動き始めたマッサージ機に揺らされる社長を背にして、俺は静かに事務所のドアを閉めていた。


「へいへい…しっかり働いてしっかり稼ぎますよ……」

階段を降りながらぶつぶつと社長の言葉を繰り返す。

仕事は嫌いじゃない。
どちらかと言えば、好きだ。

演じることも好きだしカメラに撮られる緊張感も大好きだ。

こんな好きなことに没頭できる人生を送れて実はすごく幸せ者なやつなんじゃないかって、思うわけで……。

俺は自分の置かれている環境を改めて振り返りながらマンションの鍵を開けた。

「うわ……期限切れ…」

冷蔵庫を開けて中を覗いたら一言漏れていた。

ここ最近、忙しすぎて家で料理もしなきゃ買い物もした記憶がない。

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