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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第38章 二人の道標

「おお、お疲れ!」
来店した客を見て、マスターはいらっしゃいませの代わりにそんな言葉を掛ける。
何時もの時間よりちょっと遅めに来店した高田さんは普段座る指定席の隣に腰掛けた。
「ああっ…いいよ生駒さん。気使わなくていいから座って」
高田さんは春姉の隣を譲ろうと腰を上げた生駒さんの肩を押さえる。
「ちょっと距離を開けた方が身を守れるから」
「あら言ってくれちゃったわね」
すかさず春姉が打ち返す。
生駒さんの後光の影に隠れるように高田さんは春姉の睨みを遮りながら珈琲を注文していた。
二人の間に挟まれた生駒さんは苦笑いながらもやっぱり腰を椅子から上げる。
「もうちょっと居たいけどなあ…年寄りはもう床に入る時間だからそろそろ戻るよ。マスター、チェック頼む」
時計の針は、夜の八時前を差している。
マスターは店にキープしてある生駒さんの珈琲チケットをチェックしていた。
毎年、和らぎの珈琲チケットをまとめ買いしてくれる生駒さんは店の売上げにかなり貢献してくれている。
一人で飲むよりも遥かに多い計算のチケット枚数は、生駒さんの所へきた業者さんや知人の為の珈琲代代わりでもあった。

