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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第38章 二人の道標

店を出て行く生駒さんの丸い背中を見送ると、高田さんは譲って貰った席に移動する。
「来週だっけ?もうパスポートは取れた?」
高田さんは静かになったカウンター席で仕切り直すように、あたしに話題を振っていた。
「昨日届いたばっかり!」
あたしは初めて手にしたパスポートを皆に見せる。
「せっかく高いお金払うんだからしっかり勉強してきなよ!」
発破を掛けて笑みを見せた春姉に、あたしは思いきり大きく頷いた。
そう。そんなにしょっちゅう経験出来ることではないから……
どうせならみっっっちりと勉強して自分の夢の役に立てたい!
だからたぶん……
夏希ちゃんとは最初からこうなる運命だったのかもしれない──
お互いそれぞれのことなる道。
俳優としてまた一歩前進した藤沢 聖夜。
ファンや業界の専門家がこれからの藤沢 聖夜という俳優の成長を楽しみにしている。
大物になる可能性。
子役からの本物の息の長い役者へ。
あたしと一緒に居れば、その芽を摘むことになってしまう……
バイトを終えて、マンションに帰ったあたしはテレビに映る夏希ちゃんの……
藤沢 聖夜の姿を見つめた──。

