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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第38章 二人の道標

舞花はじっと見つめる俺の視線に堪えられなくなったのか、少し顔を赤くして目を反らした。
今まではギャルで、まさしくビッチってキャラクターだったはずの舞花のその姿は、すごく普通の“女の子”を俺に意識させる。
その姿が物珍しく感じて俺はますます舞花を見つめていた。
「……聖夜、そろそろ時間じゃないのか?それ以上見たら舞花に穴が開くぞ」
「うん、行くよ」
照れてる舞花を見かねた社長の声に、俺は腰を上げた。
「…あっ、行くの?」
「うん」
残念そうな表情で俺を見上げた舞花に答える。背を向けた俺に舞花はテーブルに置いていた台本を手に取って差し出していた。
「あ、それ要らない」
「え?でも台本……」
「それ練習用」
「………」
俺の言った言葉に舞花はぽかんと口を開けた。
「練習用だから要るんじゃないの?……」
理解できない表情の舞花に肩を竦めて笑って見せる。
「舞花にあげる。台詞覚えるのに使って」
「………」
余計に不思議な顔をする舞花を社長も笑う。
俺は背中越しに手を振ると事務所のドアを閉めていた。
あの台本には文字がない。
表紙を開けばそれこそまっさらな白紙だ。
小さな頃からの俺の暗記法。本物の台本を何度も読んで頭に叩き込み、白紙の台本を読み上げながら台詞を完璧に覚える。

