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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第38章 二人の道標

「…ああ……そうか、わかった。また連絡をくれ」
離れた場所から聞き覚えのある話し声がしていた……。
白いだけの視界を遮ってぼんやりとした人影が覗きこんでいる。
「おーい…生きてるか?」
目の前で何度もぷらぷらと手を振られ、重い瞼をゆっくり開けてみた。
「…お前な…頼むから飯ぐらいは食ってくれよ」
社長のホッとした表情が目に飛び込む。
小言を耳にしながら徐々に意識がはっきりとしていった。
白い空間に白いベッドシーツ。
腕には透明の管が刺さっている。
「……病…院…?」
「ああ。トイレで吐いて丸二日倒れてた」
「………」
「仕事しててよかったな?引きこもりなら気付かん所だ──…楠木が仕事の送りで家に行って初めてお前が倒れてるのに気づいた…」
「……二日…」
社長の言葉をゆっくりと頭で整理する。
「晶にも連絡したから直ぐに帰ってくるからな」
「──………」
まだぼんやりとした思考をもてあましていた俺は、長々とした社長の小言を遠くで聞いている気分だった。

