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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第38章 二人の道標

「……帰って…くる?…」

「ああ。良かったな?ほんの一ヶ月足らず、晶が居ないくらいで倒れるなんてやめてくれよな?たく…」

「……ちがう…」

「あ?違うって何がだ?」

呟いた俺の言葉に社長は聞き返した。

「晶さんは…もう帰ってこない……」


今、居ないだけじゃない……

晶さんはこの先ずっと居ないんだ……

晶さんと別れたことを知らない社長は俺の否定の言葉の意味を深く飲み込めないでいる。

もし帰って来るならそれは明らかに同情で、

でも──

それでもいい

こんな俺を憐れんでくれてもいいから晶さんに逢いたい……


「……聖夜?…」

「……っ…」

「おい?…聖…」

「…帰る…って…っ」

言って震えた唇を噛み締めた。

「帰るってやっぱりあいつのところから……っ…」

急に唇が震え、口から小さくそう漏れた。

やっぱり高槻のところにいたんだ
やっぱり高槻と一緒になるつもりだったんだ

やっぱり……

晶さんは俺よりもあいつを選んだ──


何かを必死に我慢する俺に社長は驚きを見せる。

「……あ?…何言ってる?晶は海外研修だろ?」

社長は俺を真上から覗き込み、呆れた表情でそう言った。

「……海、外?」

「ああ。さっき羽田に着いたって連絡あったからもうすぐここに着くはずだ」

「………」

いまいち整理が出来なくて、社長の言葉をバラして一生懸命考えた。

研修?

海外?

羽田?


「一、ヶ月…?…」

あいつの元に居るどころか一ヶ月も日本にも居なかった……?

出した答えに何も言えずにいると、病室のドアが急に開いていた。

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