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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第38章 二人の道標

社長は俺に指を指す。
「いいか、聖夜。お前は飽くまで“極限まで追い込まれた逃亡犯の役作りに没頭したあまり──”体調を崩し、今回の結果を招いたことを会見で詫びろ。わかったな」
「………」
「イメージのマイナスはスポンサーの契約にも響く。わかったら会見でどう語るか考えておけ」
「はいはい。わかりましたっ」
俺は、はあ…っとため息を吐いていた。
社長の言う通り、この世界でイメージダウンは芸能生命にも関わる。
確かに事務所と上手くいっていないタレントってなると好感度が上がる筈もない。
晶さんとのことを堂々と語れないってのはちょっと気に入らないけど、やっぱり恋人と上手くいかなくて体調崩すなんてよくよく考えてみれば飼い主に見捨てられた犬みたいなもんだ。
「できればイメージアップに繋がる会見にしろよ?わざわざ会見開くのはそのためだからな?」
「わかってるよ……てか、いつもなら手回ししてこんな記事出る前に抑えるのにらしくもないね?」
「言うな。俺も人の子だ……手塩にかけた息子同然のお前が死にかけたら俺だって焦る…」
「………」
肩を竦めていった社長に、普段からチンピラだ。極悪だ。なんて言ってることを俺はちょっとだけ反省した。
「イメージアップかあ……」
なんて言おうか?
──て、だったらイメージのプラスになるようだったら晶さんとの関係を公にしてもいいってことだ……。
やっぱり俺の考えは晶さんに向く。

