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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第39章 ロングロードへの扉

「そろそろ時間になります」

楠木さんが会見終了の合図を伝える。
会場の出入口に促されて背を向けると、その背中に大きな声で問い掛けられた。

「藤沢さん!新しい恋人との噂はほんとうでしょうか!?同じ事務所だとの話も聞かれますが舞花さんとは破局ですかっ!」

一番聞きたかったであろう内容を、早口で言い切った記者に俺は足を止めた。

楠木さんは何も言わせまいと俺の肩を押す。

再び足を前に出すと、俺はそれと同時に振り返った。

「近いうちに報告します。それまで待っていてください文秋さん」

「──……」

社名を名指しされたその記者は眼を見開いて俺を見ていた。

口端で笑みを返すとその記者も何かを悟ったように頷いている。

晶さんと俺の関係に勘づいた特権。

その記者も俺の計画に巻き込んでやるつもり。

一人の記者と芸能人の意味深なやり取りを、他の記者達は小さなメモに急いで書き残す。

その会場を後にして、俺は歩きながら社長と楠木さんに小突かれていた。

「もう会見なんて開かんぞ!こっちはヒヤヒヤしっぱなしだっ」

「いいじゃん。これで一先ずは落ち着くだろうし」

「アホか!あんな意味深にネタを提供しやがって!またマスコミがマンション前に張り付くぞ!」

車に乗ると、社長はカリカリしながらそう怒鳴る。
そしてシートに背中を預け大きなため息を吐いた。

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