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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
第39章 ロングロードへの扉

助手席に座った社長はバックミラーを弄り、後部座席に居た俺を映し込む。
目があった途端に社長はニヤリとした。
「まあ……晶が明日から居ない事がせめてもの救いだな」
「──……」
社長の言葉にびっくりし過ぎて声が出なかった……。
居ない?
なんで?
また髭の陰謀か!?
「なんでだよ!俺、今日帰るんじゃんっ…なんでっ…」
泣きそうな声で必死に抗議した。金の亡者は意地悪な笑みを浮かべたままだ。
ハンドルを握っていた楠木さんはそんな俺を笑って肩を揺らしていた。
「……っ…どこまで性悪なんだよクソジジイっ…」
「何を言う、全てお前が企んだ計画のためだ」
「どこがだよ!」
「色々準備を考えたら時間的に間に合わないから早めに向こうに発つことにしたんだよ!撮影陣とも話た結果だ!」
「………」
何もかも俺のせいにすんじゃねえ。社長はそう締め括って煙草に火を点けていた。
「え…発つ、って…マリオとのブライダルの撮影のやつ?あれって一週間後じゃなかった?」
「ああ、マリオとの撮影が一週間後。その前にお前の計画に必要なシーンをいくつか撮っておかないとな」
窓を開けると社長は煙を外に吐いて、な!。と後ろを軽く振り返った。
そして言う。
「劇的な思い出にしたいんだろ? やってやろうじゃないか。あいつが一生忘れられなくなるって言うようなやつを…」
「──……」
社長はそう言って、めちゃ似合わない爽やかな笑顔を向けていた……。

