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オカシ屋サン
第7章 苺大福②
一枚目の内容は、それだけ。
ピラッ
二枚目は【 注意事項☆ 】というふざけた書き出しで始まり、保管は直射日光を避けること、とか、割れやすいので持ち運びは慎重にとか(だから割れ物ならダンボールの中で転ばないように固定しないと駄目でしょうが)、人前で桐箱を開けないように……とか。紙面にびっしり書いてある。
だったら……!
一枚目に書くこと、他にもっとあったでしょう?
「私なんてっ……あなたに言いたい事が山ほどあるのに」
憎たらしくて口に出た言葉も、あなたに届かない。
私は読み終えた手紙をくしゃくしゃに丸めた。
その時、バスルームの扉を開けて、彼氏が私に向かって声を張る。
「なー、俺のシャンプーきれてんだけど?新しいの買ってる?」
「……」
「そろそろ無くなりそうって頼んでただろー?」
「……うん、そう、だね」
丸めた手紙はゴミ箱に捨てて、木箱を両手に持って眺めながら、私は曖昧に彼に返事をした。
「なーおい、聞こえてるー?」
「うん、聞こえてるよー。持っていくからちょっと待っててねー」
「ありがとーー」
そして聞こえるように大きな声で返すと、彼は礼を言ってバスルームに戻った。
……ごめんね