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オカシ屋サン
第2章 ホワイトチョコドーム①

球体を覆ったベールが波打つ。

それは時間にすると0.5秒。

それが過ぎたこの瞬間、スイーツは表情を変えるのです。

「よく見て…」

「あ…!」

球体の真上に孔が空く。

まるで水面の波紋が広がるようにして孔はあっという間に大きくなり、ベールごと割れてその中身を露わにした。


純白のチョコレートの、隠された中身を──。


「……さぁ佳代子さん」

「……っ」

「どうぞ、召し上がれ」


熱いホワイトチョコレートソースが球体の殻を食い破ったのだ。

現れたのは口紅のような真っ赤なベリーアイス。

白い皿とチョコレートの中心に佇むその " 赤 " は、宝石と例えるには少々……毒々しいですかね。

素晴らしい芸術品だ。


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