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やめられない牛丼屋
第2章 エリアマネージャーの視察
僕は両手で冷凍庫のドアに手をかけて開けた。冷気がすうっと足元を伝わってくる。業務用の冷凍庫は二人が悠に入れる大きさで、牛肉が冷凍保管されている。
僕は吉川さんに牛肉を見せるために奥まで案内した。
「暖かい空気が入ってくるでしょ、早くドアを閉めなさい」
いつもは冷凍庫のドアは開けっ放しで作業するのだが、僕はしぶしぶドアを閉めた。
「では賞味期限のチェックをしていくわ」
「どうぞ」
僕は凍えながら、小さく返事をした。