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第2章 エリアマネージャーの視察

僕は遠くで入店音がしたような気がして目覚めた。上には裸の吉川さんが覆いかぶさるように寝ていた。

「吉川さん、起きてください! 誰か来ましたよ!」

「ええ?本当?」

僕は手探りで服を探して着た。

「誰かいますかーーーー?! ドアが開きません! 助けてください!!」

と僕はドアを叩きながら大きな声を上げた。

次のシフトのバイトが来たようだった。そのバイトに冷凍庫のドアの業者を呼んでもらい、すぐにドアは開いた。

冷凍庫のドアが開いた時、吉川さんは歓喜したそぶりを見せた。体温が下がっていたために僕と吉川さんはすぐに病院に運ばれた。お互い大事には至らなかったので、点滴を打つだけで済んだ。吉川さんに会いたくて僕は看護師に吉川さんの居場所を聞いたが、点滴が終わるとすぐに帰ってしまったということを聞いた。

その後本部から視察の報告が届いたが、牛肉の賞味期限についての報告はされなかった。全体評価欄には吉川さんの字で大きく「優」と書かれていた。