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あなたがすきでたまらない
第10章 季節外れの学園祭
「そうなんだぁ。このはの浴衣姿見たかったな。お母さんに頼めば?」

「え?」

ギクリとした
普通の会話なのに・・・
そう・・・私以外は・・・

「・・・えっと、その・・・」

「もしかして、家厳しい感じ?」

「や・・・あの・・・」

「お小遣いで買えないの?今は安いのあるよ?」

「そ・・・そう・・・ですか・・・」

どうしよう・・・どうしよう・・・
何て言ったらいいかわからない
本当の事なんて言えないけど・・・

「お父さんは?お母さんが厳しくてもお父さんなら・・・」

「・・・えっと・・・その・・・居ない・・・んです・・・」

「え?」

「だから・・・い、居ないんです・・・」

「え?どういう・・・」

「伊織!!そこまで。」

高橋君が伊織ちゃんの言葉を遮った

「伊織、谷川さんだって事情があるんだって。それ以上は興味本位で聞く事じゃないだろ?」

「や・・・興味本位とかで訊いたんじゃ・・・そんなつもりはなくて・・・」
「このは、ごめん。」

「だ、大丈夫です。私の方こそ・・・空気を悪くしてしまって・・・」

三人に気まずい空気が流れていた

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