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あなたがすきでたまらない
第17章 隣の芝生は青く見える
「んんっ・・・けいすけさっ・・・」

キスの合間に漏れる声が俺の耳に響いて心地いい

「ご、ごはんっ・・・んんっ・・・」

そんなつもりではなかったと言いたいのだろう
必死で俺の胸を押しのけて逃れようとこのははもがく
でも、つもりになってしまってる俺が居る

キスを更に深くして逃げる舌を追いかけて絡めた

「んんっ!!だ、ダメっ!!」

「・・・どうしても?」

「そ、そんな、甘えた顔で可愛く言ってもダメです!!」

このはは精一杯の抵抗を見せて俺を睨んだ

「・・・どうしても?」

「どうしてもです!!啓介さん・・・は、裸だし!!」

「脱ぐ手間が省けて良いと思うけど?」

「か、風邪を引いちゃいます!!」

「このはが温めてくれたら良いと思うけど?」

「お、お腹が先です!!」

「・・・どうし」

「どうしてもです!!ご飯も冷めちゃいます!!」

「・・・は~い」

しつこく言っても無理なもんは無理な様だった。残念。
渋々、浴室へ行って着そこねたTシャツと短パンでリビングに戻った

「おお!!美味そう!!」

「へへへっ!!ユキさんに作り方、聞いて作ったんです!!」

このはがご飯を食べさせたい理由が理解った

「八宝菜かぁ・・・すごいな!!」

「早速、食べましょうよ!!」

初めての我が家で出てくるメニュー
昨日の事を気にしてたんだろうな
大袈裟に褒めたたえた

「ん!!初めてとは思えない位に美味いよ!!」

「良かったぁ・・・魔法の粉のおかげですね!!」

「このはの愛情がたっぷりだからじゃないの?」

ふふふ。と言ってポポポなこのはは上機嫌だった
否定しないと言う事はちゃんと愛情を注いで作ってくれたんだろう。
と、思うと俺も嬉しくなっておかわりをした

「あっ。啓介さん。ビールのおかわり・・・」

「いいよ。俺がとってくる」

ふと、台所にあるボールいっぱいの黒い物体に目が点になった

「このは?これ何?」

「ああ!!それは「キクラゲ」です!!ユキさんが戻し方を教えてくれたんですけど・・・一袋全部使ってしまって・・・」

「そうなんだ」

「啓介さんが好きだって聞いたから・・・でもそんなに多くなるなんて・・・」

「美味しかったから、また食べたいな」

「明日も八宝菜、作りますね!!」

今度と言えば良かったかな?
中華三昧の幕開けだった

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