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第18章 水心あれば魚心

よっぽどの自信があったのかな？
まぁ・・・結果・・・ご愁傷様だけどな

「・・・柳・・・元気にしてんの？」

「それ、俺に訊く？」

「だって、お前にしか聞けねぇじゃん。」

「・・・ああ・・・まぁ・・・元気であって欲しいと思ってるよ」

「・・・どういう意味？」

「・・・俺、アイツに借りがあるし？」

そして・・・
俺は柳瞬と言う男を・・・
多田目線から聞かされることになった

「先に行ってパス取ってくるから！！」

伊織と従妹ちゃんは颯爽と走って行った
俺は伊織に相槌して多田と二人になったんだ

んで・・・場違いにも多田は過去を語り出した

「俺、シュンと同中でさ？そん時からシュンは人気者だったよ」
「一方の俺はメガネかけてて根暗な奴。虐められるとはいかないまでもそれなりにやってたつもりでさ？」
「頭良かったんだよ！！俺！！じゃないと、こんな進学校には来れないし？」

明るく会話をしようとする多田の話を黙って聞いていた

「でもさ？ある時・・・ほら！！テスト前とかだけ「ノート貸して」とか言ってくる奴いるじゃんか？」
「ソイツらに・・・言っちゃったんだよなぁ・・・」

「・・・なんて？」

「「見せねぇよ・・・」って・・・」

ってか・・・
ソイツらに多田が言うのも当たり前じゃね？
結局・・・多田を良い様にダシに使ってたんだろ？

「なんだ？ソイツら・・・」

吐き気がすんな。って・・・思った

「そっからさ？まぁ・・・虐めっての？された訳だよ」

明るく言う多田
本心なのか・・・
過去が解決してたのか・・・
笑って明るく言うから・・・
俺には理解んねぇよ・・・

「何で今言うの？」

そんな大事な事・・・
お前の過去なら・・・
辛い事なら・・・
こんな・・・賑やかな場所じゃなくてさ？

「明るく言わねぇと・・・やってられなくね？ってか・・・お前、俺を心配すんだろ？」

「・・・まぁな」

「だと、思った。だからだよ」

大人びてる多田がムカつくな
俺に過去の醜態を話してくれんのは嬉しいけど・・・
・・・もっと言える機会あったじゃん？
・・・もっと話せる機会あったじゃん？
・・・俺・・・お前の事・・・友達だって・・・親友だって・・・思ってたんだけど？

「・・・そんなに頼りなかった？俺？」

思わず口走って・・・ハッとした
なんか俺拗ねてるみたいで恰好悪ぃ・・・