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第18章 水心あれば魚心

「ほら・・・お前って優しいから・・・そうやって心配するだろ？」

「・・・優しいとか・・・意味わかんね」

俺は拗ねて悪態ついた
だって・・・
俺ばっかり・・・なんか・・・
友情、大切にしてるみたいで・・・恥ずかしかった

心配くらい・・・
させてくれよ
俺だって・・・お前の気持ち・・・理解りたかったよ

「俺が！！そん時！！多田と同じクラスメイトだったら・・・絶対！！助けてやれたのに・・」

本心だよ
無意識に過去の多田のクラスメイトが憎くなった
たいして強くもない俺だけど・・・

多田にそんな事を・・・
多田にそんな思いをさせた奴らが・・・憎くて堪んない

「・・・ありがとうな。・・・シュンさ？それ・・・してくれたんだよ？」

柳が？

「どうやって？」

「「都合の良い時ばっか・・・お前ら・・・恥ずかしくねぇの？」って・・・」
「人気者のシュンの鶴の一声」
「周りはシーンってなったな」

・・・やるな。柳。
って思ったけど・・・口には出さない
その後の多田のセリフを待った

「・・・けどさぁ？陰で虐めて？俺にちょっかいかけて？鬱憤はらそうって奴・・・いるんだわ」

「・・・うぜぇな」

「だろ？うざかったんだよ」

・・・どいつだ
どこの野郎だよ
殴りたい

「俺にちょっかいかけてた奴さ？どうも好きな子が居たらしくてさ？その子の前で恥かかされた。って思ったみたいでさ？」

はぁ？

「でも、結局はそんなの都合のいい。俺を虐める理由だった。ってか・・・」
「そいつの好きな子な？シュンの事が好きだったんだよ。で、俺にやつ当たってた。」

「何ソイツ？なら柳に言えよ。マジでクソだな」

・・・すまん。本音が漏れた

「だよなぁ。うん。俺も思うよ。」
「でもなぁ・・・俺は自分の事がクソ野郎だって思ったよ」

「・・・なんで？」

「カッコ悪ぃじゃん。嫌な事されてんのに、されるがままになってクソ相手にビビってる自分がダサくて惨めで・・・どうしようもなく・・・嫌だったよ」

「柳に借りなんてねぇじゃん・・・」

むしろ、カッコつけた柳の被害者じゃん

「そう思う？俺も実は思ってた。ガキだったからさ。今もだけど」

意味深に過去を思い出して語る多田の瞳は何を思い出しているんだろう？
俺は続きを待つしかなかった

「俺さ？サボりっての？した事なかったんだ」

「サボり？」