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第1章 性欲に翻弄される少女

「…飯田」
「…えっ？」

　ぼんやりとしていた美憂が驚いたように振り返る。
　陽一はありったけの勇気を出して美憂の手を握った。その生の感触が頭の中で何度目かの性行為を行っていた美憂の意識を呼び戻した。

　美憂の手が熱い。いつも大人しい美憂が驚いたような顔をしている。
　これは振られるな、と思いながらも陽一は告白の返事を貰いたかった。

「こないだの返事…聞かせてくれよ」

　陽一は川沿いの土手へと美憂の手を引いていく。
　人気のない橋の下へと。