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第1章 性欲に翻弄される少女

　ある日美憂は今までに感じたことのない感覚に襲われた。

　性の経験のない美憂には、その感覚の正体は判らなかったが、それはまぎれもなく「性欲」だった。
　ただ無性に体が疼く、火照る、と困惑しながら学校へ向かう朝の電車に揺られていた。

　いくら経験がないとはいえ年頃の、しかも健康な女子として性欲を感じたことがないわけではない。
　しかしそれは、好きな人と抱き合いたい、抱き合って眠りたい。キスをして強く抱きしめ合いたい。

　そんな淡い、漠然としたものだった。