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シミュレーション仮説
第2章 神を信じた男
「そうなんだ。そっか売れっ子女優は男とデートする暇もないもんね。事務所に見張られててなかなか彼氏も出来ないよね」

 香澄は今まで男と体を交わらせた経験は一度もなかった。中学三年生の時に出来た初めての彼氏とキスまでは進んだが、高校生になって芸能活動が多忙になってしまい会えない時間が続くといつの間にか彼氏は別に女を作っていた。

 それ以降五年ほど、ドラマや映画でのキスシーン以外、男性と性的な関わりを持つことは一切なかった。

 だからこんな所でこんな男に、こんな形で処女を奪われるのは絶対に嫌だった。

「ほ、本当にこういうの初めてなんです…だからお願い…」
「最後までされたくはない?」

 小さく香澄は頷く。

「でもね、男がこのままで終われると思う?」
「え…?」

 ぐいと香澄の顔を引き寄せ唇を指先でつつく。

「じゃあ口でしてもらおうか? 香澄ちゃんの口で精液を出させてよ。それが出来たらそこでやめてあげる」
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