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シミュレーション仮説
第2章 神を信じた男
 警察の調べにより犯行の様子と、今までに繰り返してきた強姦の余罪が明らかになっていく。
 信二に襲われた被害者が被害届を出しており、それをもとに調査がされ信二の余罪が次々と明かされていく。さらにまだ眠っている事件もあると考え警察は捜査を続けている。

 信二に就けられた弁護士は精神的な問題を訴え責任能力の有無を取り上げたが、精神鑑定の結果、何も問題は見つからなかった。

 つまり信二は正気だった。本気で『神』に選ばれたと信じていた。

 何故そう思うようになったか。きっかけはもう思い出せない。
 思い出せないが信二は確かに信じていた。

 正気の中で狂気を育み『神』に選ばれたと主張する信二は弁護士にも世間にも理解されなかった。

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