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禁断背徳の鎖外伝ー多忙者達のXmas
第3章 クリスマスイブの幸せ-仕事と寂しさと喜びと
遠藤さんは30分くらいと言って出て行った、そして時間丁度くらいで会長室に戻って来た‥
両手に荷物を抱えて。
またかと思ったけど、遠藤さんが持って来たのはクリスマスケーキ。
イブ当日で、予約が無ければ有名ケーキなんか手に入らない筈なのに、しっかりEAホテルの限定ケーキをゲットして来ているし‥
こういうところは遠藤さんらしいよね。
それにコンビニ袋から見えた物‥
私に取れば子供の頃の数少ない懐かしい思い出、ついコンビニ袋の中身を指差してしまう。
「・・・って、それっ!」
遠藤さんが買って来た物、それはクリスマスになると子供用に出回るスパークリングジュース。
「子供の頃に飲みませんでしたか?
私は毎年これを用意されました」
「そうそう!
ちょっとだけ大人のふりして‥‥懐かしい‥‥」
まさか遠藤さんが知っていたなんて‥
外戚でも早乙女に産まれているんだから、私は知らないと思っていた。
私と違って・・・
私は産まれは早乙女かも知れないけど、物心も付かない内に養女に出されて倉原家という、ごくごく普通の一般家庭育ち。
だから、こういうスパークリングジュースも、本当に普通に出て来たような平凡な家庭で育った。
倉原夫婦の実の娘では無いと知ったのが16才‥
早乙女会長の実の娘だと知ったのが18才‥
正式に早乙女姓になったのが20才‥
これが私、今の早乙女美紀。