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禁断背徳の鎖外伝ー多忙者達のXmas
第1章 クリスマスイブの幻ー恋とピアノとの狭間



だからこそ私は美紀様の条件を飲んだ、あった事を忘れるように、旅行前の私に戻るように‥
・・戻れる筈も無いのにっ!



「・・・・・」


一度身体が覚えてしまった事は切り離せない、覚えてしまった性的欲求の満たし方‥
それを我慢してまでも、私は僅かでも良いから美紀様に触れたかった心的欲求。


そして私はまた揺れる、心と身体のバランスが揺れる‥
身体の欲望など、自分でヌいてしまえば良い事だと甘い考えで、実際は覚えた欲求の解放が忘れられないくせに、私は心だけでまた欲望をひた隠す。



「・・ふぅ――
随分と余計な方に、考えが行ってしまいましたね‥
もう少し、しっかりしなければ私らしくも無い」


本能は理性で制御出来る、そう自分に言い聞かせ、あまりに長いのもと思いトイレから出た、勿論熱が収まった後で。




(何か頭が冷える物‥‥そう給湯室にあるアイスコーヒー)


1日にどれだけ飲むのかというくらい、美紀様は大のアイスコーヒー好き‥
だから給湯室の冷蔵庫には、アイスコーヒーが必ず常備してある、それも大量に。


その中から1本拝借して一気に飲み干す‥
冷たいドリンクが、私の頭も冷やしてくれるよう、缶をゴミ箱に捨てる時には、何時もの秘書の冷静な私に戻っていた。



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