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禁断背徳の鎖外伝ー多忙者達のXmas
第1章 クリスマスイブの幻ー恋とピアノとの狭間



「美紀様・・・そこで仕事の続きをやりますか・・・」


会長室に戻れば、ケーキもそこそこに美紀様は仕事に戻ってしまっている。



「お腹いっぱいだから、眠くならない内に仕事はしようかなって‥
せめて今やってる分の目処が立たないと帰れないよ、昼間だってあるしね」


「後どの程度掛かりますか?」


「どれくらいだろう?
数時間は掛かると思う‥
今日の仕事分は終わっているんでしょう、遠藤さんは先に早乙女邸に帰っていて‥」


「ですが‥‥」


待とうと思ったのに、先に釘を刺されてしまった、高校生の頃はいざ知らず今の美紀様にはなかなか隙が無い。


それを見付け突っ込みを入れるのも、私の密かな楽しみでもあるけれど。



「・・クリスマスイブだもの、誰だって帰りたいよね‥
私は大丈夫、ちゃんと紀永に連絡は入れているから、最悪マンション泊まりになるし、遠藤さんが待っても無駄な事になっちゃう」


しっかり会長に連絡を取っていた訳ですか‥
だとしたら、私に付け入る場所などありはしない。



「そうですか‥
では私は先に早乙女邸に戻りますが、あまり無理はしないで下さい美紀様」


「うん、分かってる‥
それとクリスマスケーキありがとう遠藤さん、凄く嬉しかった」


「いえ‥‥
ではお先に失礼します」


「メリークリスマス遠藤さん」


「メリークリスマス美紀様・・・」


そう言い残し、少々名残惜しいが私は会長室を後にし、駐車場へと向かった・・



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