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禁断背徳の鎖外伝ー多忙者達のXmas
第1章 クリスマスイブの幻ー恋とピアノとの狭間
建物は街の片隅にあるミニコンサート会場で、良く此処でミニイベントなどをやっているのは私でも知っている。
理由的には、クラスター社つまり早乙女がスポンサーだから‥
会長がと言うより、専ら社長が対応しているので、私は知っている程度の知識であり、実際は一度も訪れた事は無い。
今日のところは、一般客を装って会場に入った‥
わざわざこちらから身元を明かす必要は無いと思ったので、この普通の方法を取ったまでの話。
「・・・・・」
クリスマスだと多少デコレーションはされているが、中は至って普通‥
舞台もピアノが1台置いているだけのシンプルなもの、ポスターを詳しく見たら、ソロコンサートと書いてあったのだから当たり前。
(既に演奏は開始された後だと受付で聞きましたが、約半年振り‥‥ですか‥‥)
席は自由なので後列をチョイス‥
流れるメロディーは、あの春の終わりに聞いた曲と同じ曲、また冬にこうして聞けるとは思わなかった。
私が前にこの曲を聞いたのは6月の話、遅咲き桜の下でやはりミニコンサートを開催していたのを、私が偶然通り掛かって思わず聞き入って。
その時に彼女と知り合った、名前はリュカ・泉
フランス人とのハーフで、北海道在住のピアニスト。