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禁断背徳の鎖外伝ー多忙者達のXmas
第1章 クリスマスイブの幻ー恋とピアノとの狭間



「何となくかな?
美紀も遠藤すらも帰って来ないから、気紛れに降りて来たと言ったところ」


「美紀様はまだ仕事中だと思われます‥
私は多少気になったので、ミニコンサートを聞きに行っていました、お陰で社長と鉢合わせをしましたが」


「遠藤がコンサートね、たまには良いのではないかい?
元々クラシックやピアノは得意だった筈‥‥その顔だとコンサートより朔夜叔父に鉢合わせした方かな?
構いたいのだよ朔夜叔父も、帰れば1人だからね」


会長は私以上に、人の表情仕草を読むのが得意‥
私の些細な変化を、完全に会長にはお見通しで、社長で疲れたと顔に出てしまったよう。



「それは重々理解していますが、どうしても‥
今日は何時になく絡まれましたし、流石に強引に切って帰って来た‥‥というのが顛末です」


「くすっ‥
場所が本社から外だったせいで張り切ったかな?
それともクリスマスイブという事で、遠藤の方が我慢したかい??」


「・・一応後者です・・」


私の話を聞いて、会長は楽しそうな雰囲気‥
仕事も終わり、髪を下ろして私服に着替えている会長は、私とさほど年が変わらないのではと思うほど若々しい。


そして仕事中の厳格さも威圧感も無く、人と争う事が無いのではと思わせるほど、穏やかに優しく話をする。



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