この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断背徳の鎖外伝ー多忙者達のXmas
第1章 クリスマスイブの幻ー恋とピアノとの狭間
所要時間なんとか30分以内、少しだけ余裕を持ってクラスター本社重役用駐車場に到着。
会長が来られない時は、いちいち人目に付くのが面倒なので、一般では無くこっちの重役用駐車場を使っている。
それは良い‥
この駐車場から重役フロアーは直通、そして別エレベーターに乗り換えて会長室フロアーへと登る仕組み‥
セキュリティーの一環とも言うのだろう。
「お待たせしました美紀様」
「へっ?
どうしたの遠藤さん、その荷物!?」
両手に荷物を抱えて帰ってきた私を見て、美紀様は本社だという事も忘れて驚きの声。
「・・クリスマスイブですから、せめてこれくらいはと‥
食べませんかケーキ?」
そう、私がEAホテルに手配したのはクリスマスケーキ‥
少しでもクリスマス気分をと、少々強引だがシェフに頼んで見た物。
「ケーキ‥‥
今年は食べられないと思ってた・・」
「ですから‥
EAホテルのケーキです、味は保証しますよ?
ただ本社内ですから、紙皿とプラスチックフォークですけど」
「十分です・・・って、それっ!」
美紀様が指差した物‥
それは子供用のスパークリングジュース。
「子供の頃に飲みませんでしたか?
私は毎年これを用意されました」
「そうそう!
ちょっとだけ大人のふりして‥‥懐かしい‥‥」