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禁断背徳の鎖外伝ー多忙者達のXmas
第1章 クリスマスイブの幻ー恋とピアノとの狭間



所要時間なんとか30分以内、少しだけ余裕を持ってクラスター本社重役用駐車場に到着。


会長が来られない時は、いちいち人目に付くのが面倒なので、一般では無くこっちの重役用駐車場を使っている。


それは良い‥
この駐車場から重役フロアーは直通、そして別エレベーターに乗り換えて会長室フロアーへと登る仕組み‥
セキュリティーの一環とも言うのだろう。




「お待たせしました美紀様」


「へっ?
どうしたの遠藤さん、その荷物!?」


両手に荷物を抱えて帰ってきた私を見て、美紀様は本社だという事も忘れて驚きの声。



「・・クリスマスイブですから、せめてこれくらいはと‥
食べませんかケーキ?」


そう、私がEAホテルに手配したのはクリスマスケーキ‥
少しでもクリスマス気分をと、少々強引だがシェフに頼んで見た物。



「ケーキ‥‥
今年は食べられないと思ってた・・」


「ですから‥
EAホテルのケーキです、味は保証しますよ?
ただ本社内ですから、紙皿とプラスチックフォークですけど」


「十分です・・・って、それっ!」


美紀様が指差した物‥
それは子供用のスパークリングジュース。



「子供の頃に飲みませんでしたか?
私は毎年これを用意されました」


「そうそう!
ちょっとだけ大人のふりして‥‥懐かしい‥‥」



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