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わざとの嫉妬、それからの・・・
第6章 朝の手淫
女が言う‘ちょっと’の時間は男には長いものだ。

「お待ちどう様」と亜紀子が機嫌よく戻ってきた頃には、木戸は正直、(長いな)とうんざりしていた。

女はタオルを巻いたまま布団の中に入ってきて、また肌を触れさせてきた。

歯を磨いてくると言ったくせに、近くで見る顔にはしっかりと化粧が乗っていた。

男が左腕を動かすと、分かっているように女は頭を浮かして、その腕を肩に回した。

抱き寄せてはいないのに、相手が更に寄って来て肌の密着度が濃くなり、なかでもタオル地を通しても触れている乳房の柔らかさに意識が集まった。

不思議なもので、こうして人と肌を合わせると妙に安心感がわいてくるもので、ましてやそれが好きな女ならなおさらだ。

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