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わざとの嫉妬、それからの・・・
第7章 同僚達と
一方の気になる飯島亜紀子の方はイヤそうな素振りも見せず、満面の笑顔で「じゃあ、たくさん飲めますね。はい、カンパァイ」と岡本とグラスを合わせてから、より向き合って話せるようにと椅子の向きを斜めに直した。

キャバクラで見られる、客と触れられない距離を保ちながら親密に話しているように思わせるテクニック座りだ。

とにかく二人の間に隙間ができて木戸はホッとした。

そして会話をしながらこちらをチラリと見やる女の目つきが、勝ち誇ったように‘こうするのよ’と言っているのが分かった。

そしてテーブルの下ではまたその熟女のパンプスが男の靴を外から内側へチョン、チョンと突っついて‘もっと近寄りなさい’と注意してきた。

その促しを受けて、男はククッと椅子の位置を直すふりをして心持ち隣の土井に近寄った。
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