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第2章 前段階　第一弾

男と会話をしているから顔をこちらに向けることはしないが、それでもしっかりとこちらに気づいていて、目だけでの挨拶の後に絶妙の目配りで妖艶に彼氏のことを「どう？」と問いかけてきた。

そしてその女の目はすぐに木戸の横にずれると、これまた素早く長内淑江を品定めするように鋭く見た。

そして四十路女の美しい顔が少し弛む。

どう言う意味だろうか。

そこにちょうどワインが運ばれてきたので女の注意も目もそのウエイターへと変わり、そして連れの彼氏の方を見ては満面の微笑み顔になって腕をタッチするのを見ると、男はキュッと胸が締まって嫌な気持ちになったのでそちらの方を見るのをやめた。