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第9章 中華店でのワイセツ

「そうね、いいわよ。でも一杯だけね」

「ああ」

そんな会話をしていると、すぐに二つグラス・ワインが持ってこられた。

そして相変わらずの無愛想さで「サービス」と、もやしの中華風サラダが盛られた小皿も一つ置かれていった。

それを見て、曖昧な笑顔が二人の間で交わされた。

それから「おつかれさま」とグラスをチン！と合わせて赤ワインを口に運ぶ。

味は期待していなかったのだが、適度に冷やされたそれは思いのほか美味しく感じられて、女も「あら、中華のワインも意外に美味しいのね」と言った。